書名:渦 (新潮文庫)
著者:松本清張

自分史を書くうえで、市販の書籍は参考になります。
市販の書籍は、プロの作家がプロの編集者と二人三脚で出版した本ですから、自分史作成の基本要素である、テーマ・題材・構成・文章表現、いずれも自分史を実際に書くときのお手本になるに違いありません。
自分の知識と経験を綴るカタチの自分史を書くときも参考文献は必要です。
ここではわたしが読んだ本を感想文のカタチで紹介します。自分史を書く際の参考情報になれば幸いです。

テレビの視聴率の元になっているモニターの数が意外と少ないというのは、何かの雑誌で読んだことがある。
この「渦」はその視聴率調査会社が舞台になっていて、カバーのあらすじには「テレビ界を操る視聴率の怪に、独特の洞察力で挑む長編」とある。

確かに書き出しからすぐ引き込まれる。
古沢啓介が興味を持つのも、客観的には(そこまで調べるか!)と思うはずなのだが、読んでいるものとしては引き込まれてしまって、(そうか、そうか)と読み進んでいく。

だが。
これは推理小説なのだから、なんか変と思っていたら、中盤の250ページ頃になって、人が死ぬのだった。
続いて誘拐事件も起こり、推理小説らしくなっていく!

引っかけとトリックがこれでもか!というほど盛り込まれていて、松本清張の大サービス。
最後には、小山修三が犯人を呼び出し、謎を解くのだが・・・・
意外な結末が!

いつもの松本清張の推理小説とはちょっと異なり、読者サービスの多い小説だ。
解説のなかにも、視聴率の誤差の説明があり、「面白くてためになる」を本編も解説も実践している。

こんなエンターティメントもあっていいのかもしれない。

チョイ上の自分史わたし本なら文研ビズ

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